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【日本最小ラガーマンが語る豆の眼力】世界のトライゲッター、サウマキ選手の技術

ホームで大敗を喫したサンウルブズ。しかし、随所に光るプレーも目立った。今回注目するのはトライゲッターのホセア・サウマキ選手の技術。ポジションニングとハンドオフの観点から首藤氏が解説する。

Ellis Web編集部

1.スーパーラグビー第6節

東京・秩父宮ラグビー場で行われた1戦。ホームのサンウルブズはスーパーラグビーで過去2回の優勝を誇るNZの強豪、チーフスと対戦した。結果は10-61。9トライを奪われ、失点は今季ワーストを更新した。
開幕から5連敗となったサンウルブズだが、随所に選手の力が発揮されたプレーがあった。

2.サウマキ選手のトライに隠された技術とは

後半開始1分。相手キックからのカウンター後、ハーフウェーライン中央のラックからパスアウトされたボールは、SO田村優選手(N0.10)の絶妙なロングパスを経由し少し広めにポジショニングをしていたWTBホセア・サウマキ選手(N0.11)へと渡る。

ボールを受けたサウマキ選手は味方の人数が足りていない状況にも関わらず、2人の相手DFを振り切り力強いトライを見せてくれた。

今回は、このトライに隠された、サウマキ選手の技術について紹介していきたい。

3.なぜ広めにポジショニングを?

首藤甲子郎氏

まずは、サウマキ選手の「ポジショニング」に注目していただきたい。
キックカウンターの後というのは、アンストラクチャー(相手DFラインが整っていない)の状態が起きやすくなる。さらに、対面がFWとBKというミスマッチも多く起こる。 つまりは俊敏性にたけている相手BKの選手ではなく、一般的に走力が劣るFW選手へと勝負を仕掛けやすくなるのだ。 まさにサウマキ選手はあえてポジショニングを広く取り相手FW選手へと勝負を仕掛けていくのがわかる。
さらにはそこからストレートにスピードを落とすことなく勝負を仕掛けることで、内側からディフェンスにくる相手FWの選手は自分の間合いでタックルに入ることが困難となる。 サウマキ選手は自分がベストな状態で勝負できるポジショニングを緻密に計算していたのだ。

4.状態がブレない「ハンドオフ」

2つ目の技術はブレない上半身から繰り出されるハンドオフである。
ここで注目してほしいのは、ハンドオフのタイミングとハンドオフを出した後の上半身の動きである。 まずタイミングだが、サウマキ選手はタックルにくるDF選手の動きをギリギリまでサーチしているのがわかる。
さらに、DF選手がタックルに入ろうと手を出すか出さないかのほんの一瞬の隙をつき、ハンドオフを繰り出しているのである。 このタイミングでハンドオフをされた相手は、自分のタックルのタイミングをずらされたうえに、サウマキ選手の腕力が加わるため、一切の力を伝えることができなくなってしまう。まさに肩透かしを食らった状態だ。

一方のサウマキ選手はというと、自分のタイミングとパワーが合致しているため、全くと言って良いほど上半身がブレていないのだ。

首藤甲子郎氏

5,世界屈指のトライゲッターへ

サウマキ選手は、ここまでの5試合で4トライを決めており 世界の強豪がひしめく中、トライランキングで上位に位置しているのだ。 サウマキ選手がこれらの多彩な技術を駆使し、世界屈指のトライゲッターになる日もそう遠くないかもしれない。 サンウルブズは次週は休みとなり、4月7日に今季初勝利を目指してワラターズに挑む。 初勝利を祈って応援しよう。Go サンウルブズ!!!

文:首藤甲子郎
編集:Ellis Web編集部