Ellis

【日本最小ラガーマンが語る豆の眼力】トンガ戦の勝利に貢献!リーチ選手が魅せた超一流の技術

19年W杯の前哨戦。11月19日、ラグビー日本日本代表は世界ランク14位のトンガ代表とテストマッチを行った。結果は圧勝。代表戦は4連敗中だっただけに、日本代表の復調に安心したファンも多かったのではないだろうか。今回は、その試合でキャプテンを務め、トライを決めるなど大活躍したリーチ選手の技術に迫る。

Ellis Web編集部

1.テストマッチでトンガ代表に勝利

フランスのトゥールーズで行われたテストマッチ。
世界ランク11位の日本代表は、同14位のトンガ代表と対戦し39-6で勝利した。
前後半で5つのトライを奪い、何よりトンガ代表に一つのトライすら許さないというまさに完璧な勝利だった。

首藤甲子郎氏

2.日本のキャプテン、リーチ・マイケル

このフランス遠征は2年後のW杯に大きく繋がるものと言っても過言ではない。

2年前、スポーツ界最大のジャイアントキリングと言われた、南アフリカ戦での勝利という快挙は今も色あせることはない。

その歴史的試合の中心にいたのが、日本代表のキャプテンリーチ・マイケル選手(No.7)だ。19日のトンガ戦でも攻守に渡ってそのキャプテンシーを存分に発揮した。

今回はリーチ選手が見せた技術について解説していきたい。

3.DF選手の力を半減させる技術

注目のプレーは前半16分、自陣10m付近からトンガ代表にゴール目前まで攻められるも、FB松島選手(No.15)の素晴らしいタックルによりピンチを凌いだ後のマイボールラインアウトからの攻撃。

パスアウトされたボールを受けたリーチ・マイケル選手は、タックルにくるDFをなぎ倒し、ピンチをチャンスに変えるランニングを見せたのだが、この突破に技術が隠されていた。

ボールを受けたリーチ選手は、内側からきた相手DFのタックルに入ってくる右肩をめがけて大きく足を上げ、ちょうど相手の肩の上に自分の体重が乗るようにコンタクトポイントをずらしているのがわかる。

この動きにより、相手DFの状況はどうなるのか。本来、DF選手は真っすぐに相手の脚に向かって力のベクトルを向けているのだが、そのポイントが瞬間的にずらされる。さらに想定できないところで、肩の上に相手の体重がかかってくるのだ。

こうなると、相手DFはタックルの瞬間に頭が下がり自分のパワーを直接的に相手に伝えることができなくなってしまう。まさに、「肩すかし」を食らったような状態になるのだ。

リーチ選手は、トップリーグ(日本最高峰リーグ)でもこの技術を駆使しDFを翻弄している。低くタックルに入ってくることが多いとされるトップリーグにおいて、リーチ選手を止めるのは容易ではない。

首藤甲子郎氏

4.「ぶれない」抜群のボディコントロール

さらに、このコンタクトポイントをずらす技術をもっていたとしても、そのあとのボディーコントロールを正確に行ってこそ、価値のあるプレーということも付け加えておこう。

先ほどの解説の続きになるが、コンタクトポイントをずらした瞬間とタックルを交わし次のDFと対峙するその瞬間までの頭の位置を見てもらいたい。全くと言っていいほどぶれていないのだ。

頭がぶれないということ。それは相手のタックルによるパワーをまともに受けていないということだ。さらに、上半身のぶれがなく安定しているため、次のプレーへの反応を瞬時に行うことができるのだ。

5.次戦は世界8位フランス代表戦

パワー、スピード、テクニック。リーチ選手はどれをとっても超一流の選手であることを証明してくれた。25日に行われるフランス戦に向け、好スタートを切った日本。

フランス戦でもリーチ選手が見せる、ワールドクラスの技術を豆の眼力をもって注目していただきたい。リーチ選手のキャプテンシーが日本代表を必ずや勝利に導いてくれるはずだ。

文:首藤甲子郎
編集:横澤樹
写真提供:延原ユウキ