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【日本最小ラガーマンが語る豆の眼力】TL開幕戦でマフィ選手が魅せた技

ラグビーW杯日本開催を2年後に控えた国内最高峰リーグの17-18シーズンが8月18日に開幕。各地で熱い戦いが繰り広げられた。豆の眼力ではトップリーグの各試合において、「これこそが世界プレー」というような、レベルの高いプレーを解説していきたいと思う。

Ellis Web編集部

1.トップリーグ開幕 世界レベルのプレーを見せる選手たち

秩父宮ラグビー場で行われた一戦、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスVSリコーブラックラムズには7793人ものラグビーファンが詰めかけた。

接戦となった試合は17-13でリコーがものにした。

開幕戦ということもあり両チームとも硬い立ち上がりではあったが、随所にみられたトップレベルのプレーで会場のファンを熱くさせた。

今回はその中でもNTTコムのNO8、アマナキ・レレイ・マフィ選手のプレーについて豆の眼力で解説していきたいと思う。

マフィ選手はスーパーラグビーのベストフィフティーンに選ばれた実績がある。
まさに世界レベルのプレーを魅せてくれる選手であることを再確認した。


首藤甲子郎氏

2.相手選手のイメージを逆手に…マフィ選手の「技」

注目のプレーは後半6分。リコー陣内、ゴール前スクラムで優勢となった後に、トライを決めたシーンである。

マフィ選手は元々ボールキャリアとして、敵チームにとってはかなりの脅威となる。
今回ご紹介するスキルは相手選手が抱くそのようなイメージを逆手にとったものだった。

まず、マフィ選手がボールをキャリーした時点でリコーディフェンスとしては一人のタックルで彼を止めるということは至難の業だ。
そのため、ある程度の人数をかけ確実にマフィ選手を止める必要がでてくる。

実際に、リコーのTB濱野大輔選手(背番号12番)は、マフィ選手に相対していたラックサイドのDF選手を援護するためディフェンスに加わろうと駆け上がってきた。

この瞬間をマフィ選手は見逃さなかった。

マフィ選手は瞬時にワンカットを入れて方向転換をし、相手DF選手の体を崩すとそのままインゴールへと雪崩れ込み、トライを決めたのだ。

3.マフィ選手の「トップレベルの思考」

さらにこのトライの裏には、相手選手の心理を読み解く、マフィ選手の「思考のスキル」もかなり影響していたように思う。

リコーディフェンス陣が背負っているのは自陣のトライライン。これを背にした選手の心理状態は極限まで高まる。

具体的に、「絶対にゴールを割らせまい」という意識の下、相手アタックを前で止めようとするため普段のディフェンス時よりも、前にでるスピードが2〜3歩速くなる。

マフィ選手はその一瞬の変化を予測し、絶妙なタイミングで切るカットにより相手のコントロールを失わせた。

相手DF選手の心理状況を読み解き、次に取るべきベストの行動を実践する。
まさにトップレベルの「思考」が生んだ技ありのトライであった。

首藤甲子郎氏

4.NTTコム・次節の注目ポイントは

マフィ選手の活躍はあったが、試合には敗れてしまったNTTコム。

次節の東芝ブレイブルーパス戦に向けては、キャプテンのFL金正奎(背番号7)の活躍に期待したい。金選手は開幕戦、シンビンとなるなど期待通りの活躍とはいかなかった。

次こそは金選手らしくポジティブなプレーや姿勢でチームを引っ張ってくれるだろう。

さらに開幕戦で大活躍だったマフィ選手をさらに活かすために、安定したスクラムで勝機を見出したい。

昨シーズンは史上最高となる5位となったNTTコムの今後に注目だ。

開幕戦では他会場でも世界トップレベルの技術が多くみられた。
たくさんのファンの前でプレーできることは選手としてもとても誇らしいことである。
是非、会場に足を運んでいただき、選手の生の技術を豆の眼力を持ってご覧になってみてはいかがだろうか。

文:首藤甲子郎
撮影協力:延原ユウキ
トップ画像クレジット:NTT Communications ShiningArcs